午後8時、積込みが終わり荷締め作業中のK氏に「今の時間に積みあがって自宅に帰るのは何時ころ?」と聞く。K氏はメタル便のスタート時から傭車として入ってもらっているドライバーで、無口だが黙々と仕事をしてもらう我々の大切な働く仲間だ。
「浦安から成田の車庫に帰るまで2時間、会社で日報を書き翌日の地図を確認して30分~1時間。今日は早いので大体11時半ごろかな」10年間こんなに大変な環境で毎日働いてくれていたのかと、それを聞いて愕然とした。それに彼ほどベテランでも毎日最低30分を使って事前準備に地図を見ることにも、メタル便の仕事の大変さを痛感した。 kaji
先ずは、事前に参加者に与えられて宿題の発表。①2009年、自分のベストの障壁となったこと
②うまく出来とこと、やって良かったこと
③2010年の戦い方(改善・戦略)
④2011年の自分はどうなっているか
各自の仕事に対する思いなど、興味深い発表が続く。プレゼンテーションの価値は、バリョーとインパクト。全員の発表では古賀君のが秀逸であった。笑わせてくれた。今回はメタル便グループ4社に加えて、ゲストで物流会社4社6名の参加いただき、その発表にも加わっていただく。それぞれがエキスパートで優秀な人達なので、大きな刺激になる。メタル便を通じて、すばらしい縁が広がっていくことに感謝する。 カジ
新年恒例のスタートダッシュミーティング、大阪で開催。毎年成人の日を利用している。今年が何回目になるだろうか。
明日の研修の土壌作りで、各社入り混じっての飲み会。これも重要な行事で全員の温度調整をおこなう。大笑いの馬鹿話でスタートしてがいつのまにか仕事の話になっている。そして2次会、3次会と仲間の輪は続いていく。カジ
「交通事故死者は4914人。9年連続で減少し、57年ぶりに5000人を下回る。」と言うニュースが報道された。過去最悪だった1970年の1万6765人と比べ、29%の水準まで減っている。飲酒運転、シートベルトの着用等安全に対する取締りは年々厳しくなる。
古賀より、あるお客様はコイルを運ぶ時の安全基準が非常に厳しいと聞く。飲料メーカーの飲酒に対する取り組みも半端ではなく、入庫車両全部に毎回のアルコールチェックをおこなう。だから飲料を運ぶドライバーは、車庫を出るとき、積込時、配達時に3回のチェックになる。飛行機に乗ると毎フライトにシートベルト着用と非常時の避難方法ビデオが流れるが、世界中で実際にその場面にそのケースに出会うのは1件有るか無いかだと思う。でも営業トラックの運行や作業基準も、命の尊さを尊重して、そのレベルになってきている。
先日ある取引先で転落事故が起きドライバーが骨折したが、即座にそこに出入りする全ての運送会社が召集され今後の取り組みに関する安全対策会議がもたれた。その後工場に出入りする際の安全基準が数項目追加された。自動車メーカでちょっとした輸送品質で問題が発生すると、事故顛末書の受理まで何度も再提出を求めらて、書類の作成まで最低50時間は費やすという。そして、そこに書き込まれた今後の事故対策は実施が求められ毎回ハードルは高くなる。 カジ
2010年 メタル便グループに新たな試みがスタートした。3事業所(浦安・名古屋・大阪)のスタッフの1ヶ月の活動目標を月の初めに各自作成して、全員がその目標を回覧して、お互い切磋琢磨することにした。実際スタートしてみると、とってもしっくりくる、今までが実施していなかったのが不思議なくらいだ。
「散歩のついでに富士山は登れない」
各自の行動計画をみていると、結果の前にやはり計画ありきだとしみじみ感じる。月末には、その結果も報告することになっている。 カジ
お客様の問題意識や、運送業界の中からも、メタル便スタッフが聞いてくる情報からもこの数ヶ月大きな異変が起きている。鋼材の販売量が低下する中、本格的な物流費の見直しが行なわれている。お客様自体が身を切って、コスト削減する中で、経費としてウエイトを占めるのが物流費、その金額に占める大きさは通信費や交際費の比ではない。鉄鋼関連の運送からも専属車両の契約打ち切りの話を多く聞く。その台数も半端な台数ではない。
運送業界を擁護する気持ちもないが、お客様の中で圧倒的に不効率なのが自家用車(白ナンバー)による配達や集荷である。試算表の中でも経費が各項目に分かれて見えてこないので、見過ごし易い。社員が暇な時配達しているので、青ナンバーに比べて、タダで配達している様に錯覚しやすい。でも実際は、細かな経費を足していくと実は経費の垂れ流しの場合が多々ある。また、配送効率も非常に悪かったりする。国土交通省のデーターでもその非効率は明確である。
30年前のコンピューターには、フローピーディスクやUSBもない。データー量も1メガなんてなかった。今の時代でそんな代物は役に立たない。輸送でもそんなことが起きている。共同配送型を今の世代とすると、専属車による月間解約は一世代前(この一年で顕著になてきた)、白ナンバーによる配送は二世代前(ひょっとすると化石)かもしれない。誇張する気持ちもないが、それほどこの一年の鋼材の輸送環境は変化してきている。
運送業は、労働集約型で、大きな設備投資がないので参入障壁が低く、結果として利益率が低い。そんな環境下、運送会社のライバルは白ナンバーでもある、それだけに営業ナンバーのコスト意識は高い。
インタンクを持ったり、組合で燃料の共同購入したり、車両も購入台数が多いの安く買える。燃費ではデジタルタコグラフはその代表格、音声がエコ運転のアドバイスし採点もする。最近聞いた話では燃料節減の為トラックの軽量化を計り、燃料も給油時も満タンにせず、予備タイヤも積まない方式をとる会社もあるそうだ。そこまでやるのは、ドライバーに精神的負荷が掛かるので好まないが、そのコスト意識はすさまじいい。 カジ
メタル便の帰ると引取のトレーラーが道をふさいでいる。運転手を見ると、まさかの、携帯電話で話しながらの片手運転で、後進で構内に入ろうとしている。急いで駆け寄り、運転手に通話を止める様に指示するが、図太く話し続けている。
「ふざけんな! この野郎!」と出せる限りの大声で怒鳴りつける。
「この会社の者だ、ざけんな、なに考えてるんだ」運転手はこの時怒られていると自覚して通話を止めた。怒りの為か、大きな声を出した為か、胸の鼓動がおさまらない。
その場を離れ数分後、荷台にいる運転手にもう一度問いただす。
「いつもこんなことしているのか」との問いに
「重要な電話だったので」と答えが返ってきた。
改めてその返答にあきれた、ふざけた野郎だ。
「安全以上に重要なものはない」と再び怒鳴りつけ、「今日の危険行為は、荷主の報告するから」と言葉を添えた。密告は好きでないが、事を大きくすることは重要。
怒りの源泉を考えてみた。危険行為に対する怒りよりは、会社をなめられたことに対する怒りの方が優先したかもしれない。もし彼が新日鉄の構内にいたなら、絶対こんな動作はしない。もし見つかったら、荷主を含めて大問題になるだろうから。 カジ
物流二法が成立して、運送業界も激変した。物流二法以前の中小運送会社の経営者は自由な時間を持てた。数十台のトラックを朝送りだすと、そこからは趣味の時間、ゴルフに行くか、テレビの時代劇を見るかで良かった。そんな経営者を何人も見てきた。それは規制に守られいた良き時代で、運送業の免許は簡単には取得てきず、参入障壁が高い分、競争もない。お客様に必要な車の台数さえ向ければお客様が配送先を決めて指示してくれる。だから日中はすることがないのである。
そんな名残が鋼材の物流にも存在する。年間契約や月間契約で必要台数を向けて、お客様が配車し車を動かしていく。だから物流のノウハウはお客様の中に存在する。運送会社に出来る提案は、残業時間の調整とか、契約形態のは改定くらいしかできない。でも荷主がそれで満足さる時代は終わった。
メタル便は幸い、物量と配車機能はメタル便の中にある。だから色々な物流と組み合わせができる、提案できる材料や仕組みをもっている。カジ
コンサルタント会社を囲んで、大坂での物流懇談会に参加する。最近の傾向として物流の中抜きが進み、荷主が直接に実運送に従事している運送会社と取引したいという意向が強くなってきているそうだ。
派遣業界の参加者もいたが、一日働いて翌日以降は本人の都合で休んでおきながら数か月後に高額の休業補償を要求するやからもいて、雇用契約契約解除の不備をついてくるそうだ。
人が集まれば情報交換が活発になるが、意外とそんな場が我々にないことに改めて気付かされる。 カジ
お客様(新規)がメタル便をわざわざ探されて、お電話をいただき、見積りやご相談をいただくケースが増えている。その相談事項のキーワードは、やはり配送の小口化と少量化である。お客様がどこから我々の存在を知ったがわからないが、この異変は浦安だけで起きているのではなく、東海や大坂も含め、メタル便グループ全体で同時におきている現象だ。東海では新規のお客様の取引が、一日一件ずつ3日連続してスタートしている。
決して良いことではないのだか、景気の二番底が囁かれ、低迷が長期化する中、お客様自体が生き残りをかけ、本格的な物流の仕組みを改善しなければならない環境になってきたのかもしれない。 カジ