モーダルシフト(海上輸送)を利用する時「対岸」との信頼関係が重要だと聞いた。
シヤーシに荷物を積込んだあとは海上を経て、対岸の別のトラックがシャーシを引っ張るので積んだ商品は別のドライバーが荷下ろしを行う。だからワンマンで完結する積み込みに比べてより慎重になる。荷崩れを防ぐ為に捕縛も十分に、水濡れを防ぐために3枚のシートをかけるいる。それでも長い道中で物損が起きることがある。その時はその物損処理も積込んだ会社と、降ろした会社の信頼関係で解決していくそうだ。鉄道輸送も同様で、積み込みと降しが異なるので互いの信頼おける仕事が必要になってくる。
メタル便のモーダルシフトの取組みとして、今年7月から2台の有蓋コンテナを使って東京⇔苫小牧間サービスをスタートした。年内にはこれに加えて10台以上の鋼材輸送に適した無蓋コンテナを購入し、輸送範囲も大阪・名古屋・仙台も視野に入れる予定でかなり大胆な計画である。この構想にはメタル便北海道の吉谷社長が中心となり我々を引っ張ってくれている。
先日勉強会で「想い」と「思い」の違い学んだ。いままで、私自身はこの二つの漢字を使い分ける時に強い意志が伴う時に「想い」と書いていたが、説明によると「相手のことをおもう」時に「想う」の文字を使うそうだ。そう言われれば、相に心をつけると想になる。
吉谷社長は環境問題と運転手不足に深い関心をもって、モーダルシフトを強い意志で進めている。世の中の為になること、正に「想って」である。私は度々吉谷社長に「お客様はいくら環境に優しくてもサービスは支持してくれない。あくまでも運賃が安くなくては」と現実的にいやなことを言い続けてきたが、共同配送でCO2の削減を叫んでもお客様には関心はないことはこの13年での実感である。でも志や想いは重要だと思う。
40年前に聞いたマーケティングの村田昭治先生の講義を思い出した。「効用や効果がいっぱい書かれている万能薬ほど、お客様からは選ばれないと」 例えば、風邪にも、高血圧にも、胃腸にも効果・効能があると書かれていたら、薬として本当にどれに効果があるかの解らなくなる。風邪薬でも、セキ止め用とか鼻水用とか具体的に書かれている方が信頼できる。
プレゼンテーションも同様で、時間を持たせや内容を充実させる為に多くを盛り込むと印象が薄れてしまう。何を伝えたいかを一つに絞り混んで、より自分の身近な話題の具体例で示した方が印象に残ると思う。そんな意味では、メタル便はセグメンテーションがしっかりしている。
一回の名刺交換だけでは社名は覚えてくれない。どの地域で何をしている会社かは思い出しても、記憶は社名までにはたどり着かない。メタル便は、覚えやすい、メタル=鋼材 便=混載をイメージするから。メタル便北海道やメタル便東海に至っては地区まで解る。でもマイナスもある、木材や一般雑貨は対象外の感じてしまう。
7月1日から東京~苫小牧間、コンテナによるJR貨物輸送を定期便としてスタートする。もちろんメタル便なので混載(積み合わせ)である。長尺物はコンテナ内寸いっぱいのギリギリ6メーターまで対応できる。私設コンテナなので、メタル便のマークがコンテナに書かれている。何故か誇らしい。一年間かけて企画してきたメタル便のモーダルシフトがいよいよスタートする。
ちなみに今回スタートしたJR貨物企画コンテナの12フィート 20フィート 30フィートとある種類の中で、20フィートのJRコンテナ
・内寸 長さ6070mm 幅2328mm 高さ2178mm
・有蓋コンテナで側面がカンノン開き
・積載10.4t=総重量13.5t-自重3.1t
・コキ100系貨車限定
勿論トラック輸送と同様で、お客様へはドアツードアの輸送、東京~北海道間、小口長尺物の混載便で100kg ¥6000~
この一年でメタル便の輸送手段に選択枝が増えてきた。メタル便浦安では商船三井フェリーの九州向けの集荷拠点として提携を結んだ。この7月1日からはJR貨物による私設コンテナ輸送がスタートする。JR貨物輸送は東京~苫小牧間で始めるが、東海、大阪と随時輸送範囲を広げていく。陸送トラック・海運・鉄道を駆使して、環境性/経済性/確実性/柔軟性を追求していく。
メタル便の置き場にはいつの日から、猫が3匹いついている。
Mさんが餌をあげており、このところ体格も良くなってきた。当初は置き場の隅で人間の行動を観察していたが、最近は活動範囲も広くなり、行動も大胆になってきた。会社の真ん前にバス停があり、バスを待つ時間の人気ものにもなっているようだ。
メタル便が苫小牧に拠点ができていらい、貨車輸送や海運の利用が身近なモノになってきた。そんな利用の選択枝が増える中いかに我々が貨車や海上輸送に関して無知だったか思い知ることになった一年である。JR貨物さん共も具体的な輸送オーダーを通じて教えてもらう中、少しづつではあるが色々なことが見えてきた。貨車輸送=大手企業のイメージが強く中堅規模の企業や混載には敷居が高い、また無蓋(天井がない)コンテナについては未知の領域である。こんな部分にメタル便は風穴を開けたいと思っている。世界に約束した低炭素、京都議定書はまだ生きている。身近なところから取り組んでいかねばならない。
今日から関東地区のメタル便の平ボディ車にはモーダルシフトの特注ステッカーを貼る。
恐ろしい時代になった。
メタル便のトラックは一日8件~10件の長尺物や重量物を配送する。関東全域に配送するので、配送件数の割には走行距離は長い。会社のトラックにはカーナビはついてないが、ほぼ全員が個人のカーナビや携帯でGPSのルート案内を使っている。毎日同じコースを走るルート配送でなのいので、約3割は初めていところ。そんな時圧倒的に役立つのがGPS。これほどGPSが手軽に且つ安価で利用できるようなつい最近のこと。メタル便にとってはGPS機能がなければ今の生産性はない。
「運送」「長尺」というキーワードでネット検索すると
1.Yohoo知恵袋「長尺物を配送してくれる運送会社を教えて下さい」
2.総合トラック 運送・長尺積み合せ
3.総合トラック 運送・長尺積み合せ
4.メタル便 鋼材・長尺物
5.教えて!goo「長尺物の運送」
6.[Q&A]長尺の運送 路線会社が断る・・・
7.検索はてな「通販サイトを経営してます。最長4Mを扱って・・
長尺物を運んでくれる業者をご存じですか?」
と並ぶ。
路線会社が長尺物を運ばなくなったことで、いかに利用者が困っているか、手に取るようにわかる。
メタル便には、毎日メールで長尺物(長いもの)の輸送に困ったお客様の問い合わせが入っている。
先日幹部研修の席で運転手班長より、荷台は運転手の顔との発言があった。思わず頷(うなず)いてしまった。写真はベテランドライバーの荷台だ。お客様から「この荷台なら安心して預けられる」と言ってもらえるような整理整頓された荷台である。古い車両なので床も老朽化し継ぎ接ぎ状態だが、道具はしっかり整理整頓されている。
1月~3月までに50件を超える数のお客様に新規取引していただいた。驚異的な数字である。やはり長尺(長い物)の輸送は深刻だ。混載できる運送会社は少ない、ということもお客様を通じて感じるし、我々の責任も重大である。