メタル便浦安の配送網はドーナッツ型である。
浦安を起点として、圧倒的に多い配送先は50~150km圏内である。近隣の都内や市川・船橋方面への配送は少ない。それは近いエリアはお客様の車で何とかなるからで、それはメタル便にとっても好都合だ。一都六県の中でも配送エリアが集中することでロスも少ない。
去年から路線会社が長尺モノ(長い物)を運ばなくなった影響により、150kmを超える部分の問合せを多くいただく。が、自社の車輌が走ってないので一都六県と異なり、いつお届けできるか即答できない。このような納期の曖昧な答えでは、お客様も販売先に連絡のしようがない。何とか自車配送網を拡大できないものか。
自分なりに現在の150kmから250kmへのイメージを膨らますが、縮尺で簡易図を描いても恐ろしいほど大きさが異なる。図に描いてもこれだけ広いので実際の配送となると大変だ。鋼材の積み合せ(混載)一筋で14年。今年中に何とか配送エリアの拡大ができないものか。
東京駅前の中華料理「蓬莱」にて吉田・吉谷・古賀の4名で、鋼材3PL(サード・パーティー・ロジスティクス=企業戦略として物流機能の全体もしくは一部を第三企業に委託すること)
についての意見交換。このところ荷役や加工を物流会社に委託するケースが増えており、経験豊富な吉谷さんを中心にポイントを話してもらい、多くのことを学ぶ。業務の受託範囲が広いほど業務の簡素化がなされ、結果としてお客様にも喜んでもらえると言う。メタル便グループの各拠点にも、数社から3PLのお話をいただいている。
メタル便グループが新春浦安に集まって、恒例のスタートダッシュミーティングを行う。
今年から北海道も加わり4拠点での合同ミーティング。2013年の報告と2014年の展望が発表されるが、今年はパワーポイントが必修となり思考を凝らした発表で3時間もあっと言う間に過ぎてしまった。積み合せのエリア拡大・JR貨物を使ったモーダルシフト(環境負荷の少ない輸送手段への転換)・増大する輸入貨物などが主なテーマとなった。各拠点の共通して、増え続ける混載のお客様の要望にどこまで対応できるのかが、今年の大きな課題であることは再認識できた。
終了後は門前仲町に移動して、居酒屋での懇親会とスナックでカラオケ大会になった。12時をまわりホテルに帰っても部屋で懇親の場が持たれた様だ。北海道・浦安・名古屋・大阪と距離があるだけに、幹部スタッフが時間を忘れてバカ騒ぎするのも価値あることだ。
浦安からケースモノを北海道の北広島市まで、JR貨物を使って輸送する。車不足が慢性化しているこの数ヶ月、貨車輸送は強い味方だ。しかも4t車の料金より40%安く運べた。JR貨物は距離が出るほどメリットが大きい。メタル便グループでは、メタル便北海道スタートを機にモーダルシフト(環境負荷の少ない輸送手段への転換)に積極的に取り組んでいる。鋼材に対してもかなりの許容範囲が広い。
・メタル便の創業時は、浦安鉄鋼団地の鋼材を集荷しては、関東エリアに配送していた。個々のお客様とのオーダー量や取引歴の違いはあるものの、鉄鋼団地内で約70%の企業よりメタル便を利用してもらう様になった。それでも関東全域を網羅するに充分の車輌に対する荷量は集まらず、収益での苦戦が続いた。
・量の確保=状況改善のため、数年かけて関東広域に小口出荷されるお客様を取り込む様にしていった。行きは積込みした荷物を下ろし、帰りには翌日分の荷物を関東全域から集荷するので往復荷物を積む事になる。荷物の量は全体的に増えたが、混載荷物の量の繁忙期と閑散期との差はあった。
・今年になり、割安便のチャーターを積極的にPRした。これにより閑散期でも車を遊ばせることがなくなり、一方では関東広域にトラックが散らばっているので、割安チャーターでも回送距離が少なく採算も悪くないことが解ってきた。
台数を増やすことの相乗効果は絶大であるものの、閑散期には止まるトラックの台数が多くなるのでリスクが広がる。しかしその点では、大きく改善された。でもその運行が可能なのも、毎日安定してメタル便に集まる、百数十件の長尺モノ(長い物)や異形状や重量物のオーダーのお陰である。積み合せビジネスの難しさを痛感する。
秋口になって車の手配がヒッパクしてきた。一人の配車係が一台の車の手配の為に、一日中30件や40件と電話をかけ探し続けることも稀ではなくなってきた。メタル便浦安では、積合せ(混載)の福島に宮城に定期的に走らせているが、その他の東北エリアの積み合せで長尺物(長い物)や重量物となると、現状ではかなり難しくなっている。
例で言うと、15日積みで手配して欲しいと言われて、15日積みの車がどうしてもなく代替案で16日を提案する。お客様は指定日の15日にコダワリ継続して探して欲しいと要望される。時間の経過と共にお客様が諦めて16日でも良いと言われた時には16日積みのトラックは無くなっている。こんなことの繰り返しである。価格も同様で、東北方面に対しては現在は時価に近い。運賃にこだわると、時間の経過と共にとんでもなく高い運賃になる時もある。この時期「即決」が重要になる。加えて問題なのはお客様自体が本業が手につかず、車の手配だけで多くの時間を費やすことである。
8月以降配送件数が増えて、ドライバーへの負担が大きくなってきている。
研修会で無駄をテーマに話し合う中、このところ増加している積み忘れが問題となった。配車係の新田君が解決策として「自分がチェックするしかない」と言ってくれた。翌週から彼の行動が変わった。メタル便の約7割が宵積みで残りは翌朝積み込む。夜の積み込みが終わり運転手が帰った後、新田君が現場に出て、朝積み込みの伝票と置場に残された商品を一品一品チェックしてくれる。この方法は合理的で、伝票にない商品が有れば、トラック出発前に積み忘れが発見できる。
私なら運転手の責任として積み忘れしないよう注意して解決策とするが、これ以上ドライバーには負担はかけらないとして、自分自身が動いてくれた。ドライバーに対して責めるのではなく、責任感とは何たるかを背中で見せてくれている。これなら仲間がついてくる。
年に2回実施する環境整備。
朝7時~午後1時までの6時間、全員が参加して普段手の届かない部分を徹底的に綺麗にする。今回の重点箇所は、植栽の伐採、柱の塗装、手すりの錆落とし。こんな共同作業もチームワーク作りには貴重な時間だ。
高所作業には安全帯も着用。