コロナウイルスが発生して数か月、世界規模で多くの企業が甚大な影響を受け売上を落とし出口の見えない中で苦戦している。一方でこの状況下で売上を伸ばしている企業もある。指導いただく経営コンサルタントに「売上を落とした企業の減額分から、売上を伸ばした企業の増額分を足すと等しくなりますか?」と稚拙な質問をした。「この数か月生産が止まっていた分が、差としてでてきます。」と明快な答えをもらった。コロナの影響で未来が早くやってきたとも言われている。当社は3月まで売上に大きな影響がなかったが、4月になって売上を大きく落とす部門と、落とさない部門が明確になった。この数字を見て先のコンサルがこれが未来の姿ですとも言われた。この2つのヒントに、当社が今何をなすべきか冷静に考えてみた。
売上が落ちた部門はチャーターや専属の輸送で、売上の影響を受けなかった部門は混載輸送だった。混載部門への新規顧客からの問合せはコロナ前と変わらず減っていない。なら混載部門を強化すべき。次は生産活動だ。物流業はメーカーと異なり作りだめができない。ホテル業と同じで、今日の商品は今日販売しなければならず、売れ残った今日のサービスは明日は販売できない。知り合いのメーカ-はリーマンショックのどん底の時、社員の大幅なリストラは避けられなかったが、潤沢な資金を元に受注が無い中で将来予想される部品を作り大量に生産し続け備蓄した。その結果は、回復期に入った時先手を取ることができリーマンの翌年でも最高益を上げた。メーカーは研究開発+教育+生産活動があって商品が出来上がる。
メタル便は一定の形ができているサービスなので新たな研究開発はない。混載事業の未来を早めることって何だろうか。メタル便は新規のお客様との取引はお客様の問合せによるモノが多く、その入り口がメタル便のホームページである。長尺物の輸送に困ったお客様が、ネットで検索して当社の存在を知ってもらい取引につながる。メタル便にとっての、未来を近づけるモノ、研究開発、商品の作りだめに変わるものは、お客様への積極的なPR活動かも知れないとの考えに至った。現状を変えることは現在はできないが、未来を近づける活動によりコロナにより数か月失われた生産活動の穴を埋めることができるかも知れないと。