多くの会社を訪問する中、デスクの片隅に物流会社が駐在している事務所がある。営業所や支店だったりすると、荷主の事務スタッフとドライバーの休憩場が混在しているケースもある。これは明らかに問題が起こってくる。接客用デスクや食卓が混在して使用されて、荷主と運転手が自然と親しくなる。その内、友達感覚で話し始め、その次には運転手がわがままや不満を荷主に平気で言う様になる。こうなると主従関係は完全に崩れる。専属で仕事をしている運送会社に行くと、荷主のことを平気でボロクソに言う会社がある。ひどい場合は荷主の権限のナイ社員を、平気であごで使う様になる。物流会社が荷主と密接な関係になると、お互いの短所が見えてくる。荷主は威厳か有ってほしい。家庭に例えると、荷主は家長である。その為には色々なケースもあるであろうが、普段の職場でも一定の距離感を置く事が、私は好ましいと思っている。会社の大小に限らず、物流改善が順調いく会社は、経営・営業スタッフと物流スタッフが完全に分離された所で仕事をしている。
ある鋼材問屋が、来客用に社内に洒落た雰囲気の喫茶コーナーを設置した。お客様にリラックスしてもらい親しみのある空間を目指した。その内、待機の運転手が出入りするようになり、何時の間にか運転手の溜まり場になってしまった。
運転手は大部分の時間を一人で仕事する。運転手の職場は、トラックの運転台であり、荷台である。だから二人以上集まると、たちまち気分転換の場になり、たわいもない会話でも盛り上がる。でも、その会話と同じ空間に、仕事をするスタッフがいると、何となく違和感が出てくる。だから分離した空間の方が、お互いがスッキリする。
製造関係一次下請の経営者から聞いた話。
日本で外貨を稼ぐのは製造業、その外貨があって海外から食糧も輸入できる。ではその製造業の現場は、現在60%は人材派遣でまかなわれている。それは、昨日まで生産していたラインや人員が明日には不要になるかもしれない危険性があるからだ。解雇できない正社員でまかなっていたら会社は倒産してしまう。激変する市場への防御策である。派遣社員には言葉の通じない人もいるし、何かあった時の品質に対する責任も問うことはできない。但し製造部品のミスは、100万個に一個の単位で(ppm)で要求される。製品にもよるが10ppmではりコール対象にもなりかねない。メーカーとなると80%の人材派遣も決して珍しくない。世界企業がライバルで、製品の寿命も短く、為替の変動によっても生産拠点の存続さえ問われる。すさまじい業界だ。我々の仕事の甘さを痛感させる話だ。 カジ
学生時代陸上部に所属していた。関東の大学だったので、長距離は箱根駅伝の出場を目指したが在学4年間は残念ながら予選会で敗退、その後30年たった現在も夢がかなっていない。少子化の中、大学も生徒集めが必死。少ないコストで大学の知名度を上げる箱根駅伝出場は絶好のターゲット。マスコミも便乗し大騒ぎする。かわいそうなのは学生だ。先日久しぶりに学校に行ったら、20キロ走(30年前の本練習)を、今の学生は朝食前に消化し、午後はより厳しい練習がまっている。正月もお盆もない。学業とスポーツの両立は程遠い。現在本戦に出場している大学は例外なく選任コーチを大学が雇っている。そんな環境が、箱根駅伝の記録を毎年少しづつ押し上げていった。
メタル便は開業当時扱い品種もそんなに多くはなかった。一商品増える毎に、皆で荷扱いを勉強しマスターしていった。今は鉄鋼団地の全ての商品を扱っていると言っても過言でない。メタル便は届け先が決まっているルート配送ではなく不特定の届け先に運ぶ。現在では、ドライバーも段階的に地理を覚えてきて、北関東であっても十数件配達できるようになった。でも今入社してくる運転手は大変だ。先輩が結果をだせているので、先輩と同じ仕事が出きるようにがむしゃらに努力し追いつくしかない。正に数ヶ月は必死のおもいだ。 カジ
JR千駄ヶ谷駅朝8時。待合の間15分位の駅前にいると、登校する高校生の集団が次々通り過ぎていく。改札を出た所で大きなバッグを持った運動クラブ所属の坊主頭の一年生が3名、通り過ぎるクラブの先輩を見つけては礼儀正しく挨拶している。ところが挨拶された先輩が誰一人として挨拶を返さず、無視して通りすぎていく。年齢に関係なく、人間として挨拶をを返すことは最低限の立振るまいのはずだが。程度が低い学校だと思いつつ、彼ら3名、後輩を持った一年後には、同じ様に下級生の挨拶は無視しすると想像できる。環境とは恐ろしい。午後会った先輩経営者から運転手も今後は「ホテルマンの様な笑顔で挨拶」をしていかないと生き残こっていけないのではとアドバイスいただいた。その挨拶の実践も、職場環境が重要だ。少なくとも、朝に見た高校生のような環境にはしたくないと痛感した。 カジ
古賀君が、連休明けの2日間で、新規のお客様からいただいた声。
「メタル便のこと気になっていた、開始して何年になるの?」
「団地内でいっぱいメタル便を見かけるね」
「現在路線会社で運んでいるが、最近特に条件をきびしくつけられる様になった。」
「メタル便さんは料金はまあまあ、でも関東での広範囲の配送網は魅力的」
「(各社の成功例を説明した後)うちもそろそろ、メタル便を使って物流改革していこうかな。」
メタル便に新しいプリンターを設置、今まで総合トラックのお古を使っていたがメモリー不足で、一枚プリントするにもかなりの時間を要していた。受注はコピー機で受けていて、プリンターは、夕方ドライバーがネットで届け先の地図検索後の出力に使っている。
このところクロスドッキングの活用を検討し始めている企業が増えている。メタル便の関西や浦安でも、現在、数社から引合いを受けている。大手メーカーや一部の物流会社では理解されれ実践しているが、一般的な物流改善のツールとしての関心度はまだ低い。欧米の物流企業では、運送・倉庫に並列してサービスメニューに入るが、日本でクロスドッキングの言葉が定着していないことも、理由の一つにあげられる。日本では通過型倉庫とか、スルー倉庫とか表現もされ、その方がしっくりもする。使用の例として、夜から明け方にかけ、一社ないし複数社の商品の大型トラックで配送圏の中心(クロスドッキングの基地)に持込み、2t車や4t車に乗換えて当日配送する。こんな仕組みが当り前になる時も近いかも。
昨日クロスドッキングのことを書いたら、偶然コンサルタントI氏より5月6日付けでお手紙をいただく。関連部分一部転記・・・
「産業界の景気の上昇または下降の陰に、①素材メーカー②組立て業界③最終売手業界での製品や商品の在庫の一時的な過剰或いは欠品から発生する色々な対策に、小生の現役の時に体験したことがあります。在庫の過剰も欠品も、販売・購買・製造などの非科学的な習慣性、又は予測が立たないという諦めという、これも非科学的な理念に振り回されている状況を赤裸々に表していると言えましょう。 梶社長のクロスドッキングシステムは諸々の荷主側に、上記のような混乱があってもそれに耐え得る構造と推察致しております。」
I氏は尊敬する物流コンサルタント。多くの物流現場で修羅場を経験してきているだけに、一言一言が重たい。 カジ
巷はGW大型連休の真っ只中ですが、物流の現場は業種によりますが、365日24時間動き続けています。アトランスでも食品輸送の部署では、今朝も早朝から担当ドライバーが出勤しています。また、倉庫部門では、海外工場からの海上コンテナの入庫受け入れをしています。物流は、裏方として社会を支える大切な機能を果しています。その重要性は、今後ますます高まると思われます。しかし、その割には社会的な認知度というか地位が低いように感じているのは、私だけでしょうか。 ワタナベ
総合トラックの用件で、久しぶりに鮫洲の関東陸運局東京支局にいく。輸送課にはカウンターごしに4~5名の担当の方が相談やら書類提出を受付ける。カウンターのすぐ手前に長いすがあり順番待ちの人が並ぶが、距離がないので用件が聞こえる。新規の営業する企業が2社ほど相談にきているようだ。用件が複雑になると、カウンターの奥に通される。過去に2回通されたことがあるが、奥に入る時は通常あまり良い用件ではない。一回は20年位前に過積載の件で呼び出された。当時弊社では鋼材輸送が主で、担当官より「過積載をしたこと有りますか?」と聞かれて「たまに有ります」と答えると、「たまにはで、無いでしょう。」と手書きの台帳を見せてくれた。そこには首都高速の入口の台貫の過積載記録が転機されており、台帳をめくりながら、担当官が「ここに貴社の名前がいっぱい書かれているがこの台帳は貴社専用ではないのですから」と皮肉も言われた。それでも、大らかな時代だったのか、注意だけで終わった。それ以降徐々に過積載の取締りも厳しくなっていく中、お客様に状況を説明し理解をいただきながら積載トン数を徐々に落とし、定量になるまで3年の歳月がかかった。現在では4100kgで大型車を手配してもお客様は納得される。メタル便をスタートさせて、お客様から自家用トラックで多少重量オーバーさせる時もあるよとの話を聞くと、昔を思い出し何となくレトロな印象を受ける。あともう一回は、重大事故の報告(総合トラック2005/10/14の日記にその件は記載)に行った時、カウンター奥に通された。
順番を待ちながら、そんなことを思い出していた。 カジ